住宅の屋根裏に住み着くことがある害獣の中にハクビシンという動物がいます。ハクビシンはジャコウネコ科の動物で、猫のような体つきをしていますが、毛色などから、たぬきやイタチに間違われることもあります。日本全国に生息しており、基本的には山に住んでいる動物ですが、近年では首都圏の住宅街などでも見かけるようになりました。元々木登りが得意ということもあり、電柱や電線などを伝い住宅へ侵入することがあります。また、頭が入る隙間であればどこからでも侵入できるのです。基本的には夜行性なため屋根裏に住み着いても昼の間はおとなしくしています。ですが夜になると食料を探すために行動し始めます。ハクビシンは雑食性の動物で、果物や野菜、穀物の他に昆虫や小動物も食べ、なかにはペットの金魚が食べられたというケースもあるのです。農作物を食い荒らすこともあり、甚大な被害が報告されているのも事実です。また、屋根裏に住み着いたハクビシンは同じ場所に排泄を繰り返すため、天井の木材が腐食し、排泄物の重さで抜けてしまったというケースもあるのです。ハクビシンが住み着くと、多くの被害を受けます。住み着く前に駆除したいところですが、実はハクビシンは見かけただけでは駆除することが出来ません。それはハクビシンが「特定外来生物」に指定されていないためです。特定外来生物は「明治以降に移入された」事が基準になりますが、ハクビシンの移入時期ははっきりしていないのです。最も有力なのは明治以降に毛皮用として持ち込まれたものが野生化したという説ですが、江戸時代の蒔絵にハクビシンに似た動物が描かれているため、定かではないのです。このため、ハクビシンからの実害を受けて初めて害獣駆除を依頼できるのです。